
僕は、台湾留学中、大学生だったのですが、アメリカ人の友人に会計を学んでいると言ったら、「君はたくさん稼げるね」と言われました。
彼の発言の意図は、企業内で会計に携わる職種は給料がいいという意図でした。
つまり、職種別に給与が違うのが当然で、それを踏まえて学ぶ学問を捉えているということです。
この感覚は中国人も同様で、僕の友人の中国人も「日本語専攻は就職時に有利なんだ」と言っていました。
日本とアメリカ・中国でこの感覚が違うのはなぜなのか考えてみました。
日本は、学部にかかわらず新卒採用する。でも、中途採用は職種別。
文系学部出身者は、学生時代に学んでいた学問に関わらず、配属先の職種が決定されるのがほとんどだと思います。
これをフェアだと捉えれば、学生時代に学んだ学問が例え哲学であっても、自ら興味のある職種にチャレンジできるということです。
しかし、一方で、商学部や経営学部で会計を学んでいて、経理を希望していたが、社会人になって配属されてみたら法務部だった。など、希望する職種と配属先が必ずしも一致しないことがあります。
これが転職・中途採用だと話は変わり、職種別に採用となります。
この時、提示される給与は、同じ企業でも職種別に提示される給与が異なることが多く、入社が同時期なら給与は平等という世界とは異なってきます。
アメリカは、新卒採用制度がないため、専攻がものを言う
アメリカは日本と異なり、大学卒業後に就職活動するのが一般的で、大学時代はインターンにで実践を積む時期です。
ゆえに、大学を卒業してからの仕事探しでは、日本における中途採用と同じ状況でスタートするため、職種別に初年度給与が異なります。
アメリカの高収入職種ランキング
Rank | Undergraduate Major | Starting Median | Mid-Career Median | % Change |
#1 | Chemical Engineering | $63,200 | $107,000 | 69.3% |
#2 | Computer Engineering | $61,400 | $105,000 | 71.0% |
#3 | Electrical Engineering | $60,900 | $103,000 | 69.1% |
#4 | Aerospace Engineering | $57,700 | $101,000 | 75.0% |
#5 | Economics | $50,100 | $98,600 | 96.8% |
#6 | Physics | $50,300 | $97,300 | 93.4% |
#7 | Computer Science | $55,900 | $95,500 | 70.8% |
#8 | Industrial Engineering | $57,700 | $94,700 | 64.1% |
#9 | Mechanical Engineering | $57,900 | $93,600 | 61.7% |
#10 | Math | $45,400 | $92,400 | 103.5% |
#11 | Physician Assistant | $74,300 | $91,700 | 23.4% |
#12 | Civil Engineering | $53,900 | $90,500 | 67.9% |
#13 | Construction | $53,700 | $88,900 | 65.5% |
#14 | Finance | $47,900 | $88,300 | 84.3% |
#15 | Management Information Systems (MIS) | $49,200 | $82,300 | 67.3% |
#16 | Philosophy | $39,900 | $81,200 | 103.5% |
#17 | International Relations | $40,900 | $80,900 | 97.8% |
#18 | Chemistry | $42,600 | $79,900 | 87.6% |
#19 | Marketing | $40,800 | $79,600 | 95.1% |
#20 | Geology | $43,500 | $79,500 | 82.8% |
ソース:https://www.visualcapitalist.com/visualizing-salaries-college-degrees/
中国では、入学前の学部選びが大事
中国では、就職活動の時に学部が重要視されます。
ネット上では、就職率ランキングを学部や学んでいる専門別で表されることが多いです。
中国の大学専攻別就職率ランキング
就職率ランキング | 専門リスト |
1 | ソフトウェア工学(コンピュータータイプ) |
2 | エネルギーと電力工学(エネルギーと電力) |
3 | 電気工学とオートメーション(電気) |
4 | 物流管理(物流管理およびエンジニアリング) |
5 | 看護学(看護学) |
6 | 工学管理(経営科学) |
7 | デジタルメディア技術(コンピュータ) |
8 | Eコマース(Eコマース) |
9 | 輸送(輸送) |
10 | 機械および電気工学(機械) |
11 | 財務管理(経営管理) |
12 | マーケティング(経営管理) |
13 | 通信工学(電子情報) |
14 | 上水道排水理工学(土木) |
15 | 物流エンジニアリング(物流管理エンジニアリング) |
16 | コンピュータ科学技術(コンピュータ) |
17 | 情報セキュリティ(コンピューターの種類) |
18 | 車両エンジニアリング(機械) |
19 | 自動車サービス工学(機械) |
20 | 交通工学(輸送) |
https://www.dxsbb.com/news/1953.html
まとめ
日本で新卒就活して、転職をしなかった場合、給与格差がある世界と触れることがないまま同じ仕事を続けることになります。
一方、アメリカのように、職を得るのに大学の専攻がものを言う環境だったり、中国のように大学入学時点から将来の生存競争にさらされていることを自認する環境下では、本能的に必要とされるような姿になろうともがくため、自分を高められる職があればすぐに転職するという意思決定につながるのだと思います。だから、結果的に転職が活発なのかな~