
台湾の犬は、危機意識によって身に着けた生命力が強い
先日台湾に行ったときに目にしたことです。
台湾の夜市を歩いていると、首輪の付いた小犬が歩いていました。
人間のように周囲に目を配りながら歩いているのではなくて、地面に鼻を近づけて匂いを嗅ぎながら下を向いて歩いている。
その子犬が歩いている道の2m先は道路で、車や原付がビュンビュン走ってます。
僕は、この子が車に轢かれたら大変だと思って、その子の後をつけました。
もし道路に出そうになったら危ないから抱いてあげようと思って。
でも、その子は道路に一切出ませんでした。
道路ギリギリの道を歩いて、楽しそうに夜市を縦横無尽に歩き回り続けたのです。
しばらくすると、おそらく夜市のどっかでお店をやっているのであろうエプロンをつけたおばちゃんがその子を見つけて、「どこをほっつきまわってたの~?」と笑顔で抱きかかえて、いつものことかのように帰って行きました。
僕は、これにはビックリしました。
日本だったら、怖くて愛犬のリードを外すなんてありえないと思うし、心配で心配でしょうがなくて、目を離すなんてまずできないはず。
でも、台湾人の考えなんでしょうか?街中でもリードを付けていないワンちゃんと散歩している人を良く見かけます。
好きに歩かせるほうが犬にとって楽しいからなのか?
街中でリード付けてたらリードが人を邪魔しちゃって歩けないからなのか?
正直理由は分からないんだけど、別に公演じゃない普通の道でも見られます。
台湾の犬は、自由に歩き回っているから、きっと危険な経験をしたことがあるし、飼い主がそこまで自分の身を守ってくれないということを認知しているんでしょう。
彼らには、「道路に出たら危ないんだ」っていう危機意識が自然と身についていて、道路に出ないんです。
何が言いたいのかというと、
動物は置かれている環境に順応して生命力をつけるということ。
置かれている環境が過酷であればあるほど、自然と身につく生命力は高まると思います。
これは犬だけでなく、人間にも言えることだと思います。
- アメリカのような銃社会なら身を守るために自分も銃を持つようになる
- 中国のように競争が激しければ他人を差し置いても前に出るようになる
- 韓国のように自国の中だけでは市場が小さすぎれば最初から外の市場を求めて海外に出ていく
- インドのように衛生環境が悪いと体の免疫が強くなる
日本はどうか。
戦後豊かになってからは、おそらく欲しいものは何でも手に入るレベルで豊かだし、普段の生活で激しい競争や命の危機を感じることも少ないはず。
国内の市場が十分大きいから最初から外に出ていく必要もない。僕は海外で食事するとすぐお腹を壊すくらい免疫は弱い。
日本人の多くの人には、少子高齢社会で今後社会保障はどうなるんだ?とか将来の日本に対する危機意識が頭の内にはあるけど、みんなで渡れば怖くないという意識がどこかにあって、まだ本能にまで響いてない。
でも、どのような形か分からないけど、危機を肌で感じるようになると、きっとどうにかしなきゃ!何とか生きなきゃ!と思って、策を講じようとする。
中を変えようとする人もいるし、外に出ようとする人も出てくる。そうして初めて、人も社会が大きく変わるんじゃないかと思っています。
日本人は、良くも悪くも他国より我慢力に長けている人種だと思うから、本当のギリギリになるまでぐっとこらえて耐えちゃうのかもしれないけど、その後、まじでヤバイ!変えなきゃ!!っていう時の巻き返しの勢いもすごそうです。
戦後の焼け野原を見て「やばい・・変えよう。まじで。」ってなった日本人は世界を驚愕させる成長を見せたわけなんだから。